キャタル創業の原点と、日本の英語教育への課題意識について
日本の大きな教室の中では、英語に対する思いを十分に受け止めてもらえず、「自分は英語ができない側の人間だ」と思い込んでしまう生徒が多いです。私自身もかつてその一人で、英語教育に“Fitしていない”感覚を抱えていました。だからこそ「いまは、どんな英語力でも構わない。ここから一緒に最高のレベルまで連れていくよ」と言える場所を作りたい。それがキャタルの原点であり、日本の英語教育に対する一つのアンチテーゼでもあります。 その実現のためには、一対一の指導や海外留学だけに頼るのではなく、洗練されたカリキュラムとテクノロジーの力で、生徒一人ひとりの課題を解決できる仕組みが必要でした。公立・私立を問わず、すべての学校や地域で「自分にもできる」「これなら続けられる」と思える学びを届けたい。そうした思いから、キャタルのシステムづくりが始まりました。
現場の課題をどのように捉えていますか。
英語教育の現場では、生徒一人ひとりのレベル差が大きく、教師が全員に個別対応するのは現実的に難しい状況です。先生方もその限界を理解しており、「時間が足りない」「生徒の理解度に差がありすぎる」といった悩みを抱えています。教える側の英語力不足や業務量の多さから、生徒に十分なフィードバックを与えられないまま授業が進んでしまうことも少なくありません。こうした構造的な課題こそ、教育の質を高める上での最大の壁だと考えています。
キャタルのカリキュラムが大切にしている考え方は?
私たちは、英語力をabcからTOEFL100点レベルまで体系的に育てるため、4技能別の段階的カリキュラムを構築しています。学習者が今どのレベルにいるのかを把握し、目標に合わせて何を学ぶべきかを明確にする。連続して学ぶカリキュラムのグランドデザインが、日本の教育に欠けていると思います。
現在の教育は受験対策に偏りすぎており、「大学入学共通テストで良い点を取ること」がゴールになってしまっている。しかし本来、英語は世界に出ていくための“ツール”であり、子どもたちが納得感をもって学べることこそが大切です。キャタルでは、CEFR(セファール)に基づき、各レベルで学ぶべき内容やスキルを設計しているため、生徒も教師も安心して学びを積み重ねられる構造になっています。
テクノロジーを活用する理由と、その意義については?
テクノロジーは、生徒一人ひとりに最適化された学習を、安定的かつ同時に提供できる手段です。英語教育の現場では、生徒のレベル差が大きく、教師一人の力で全員にオーダーメイドの指導を行うのは限界があります。教師は英語力や時間の制約の中で苦しんでおり、個別最適化を実現するためには、人の力を補う仕組みが必要です。キャタルでは、カリキュラムとフィードバックの仕組みを組み合わせることで、教師の負担を減らしながら、生徒一人ひとりに“自分に合った英語教育”を届けられるようにしています。
キャタルのソリューションは、どのようにこの課題を解決しているのでしょうか。
キャタルでは、テクノロジーとAIを活用し、カリキュラム学習とフィードバックを一括管理できる学習支援システムを構築しています。これにより、教師はひとりひとりのレベルに応じた最適な学びを提供するという「コーチング」にシフトできます。そのコーチングをサポートするのがCatallogとRewritesというキャタル独自のシステムです。教師にとっては業務負担を減らしながらも指導の質を高められ、生徒にとっては“自分に合った英語教育”を受けられる満足感と納得感が生まれます。その結果、学習成果と顧客満足度の両方を同時に向上させることができるのです。
導入による教育効果と経営的メリットは?
すでにキャタルを導入した学校や塾からは、教師の準備時間や添削作業の負担が減り、レッスンの質が安定したという声が多く寄せられています。学習効率が上がることで、生徒の理解度と定着率も向上。英語が“得意教科”になる生徒が増え、教室全体の成果に直結しています。さらに、短い時間で高品質な指導を実現できるため、講師あたりの稼働効率が改善され、塾の収益性の向上につながります。
今後の英語教育市場における成長戦略について
日本の学習塾市場では、高校受験対策に依存したモデルからの転換が求められています。英語を“無学年・長期継続型”の学びとして設計することで、顧客接点を長期化し、ロイヤリティの高い学習モデルを築き上げることができます。実際に、プリスクール後のフォニックス教育や中学生向けの受験英語など、英語教育を軸に上位層を囲い込み、ブランド価値を高めている塾も出てきています。
キャタルのシステムを導入することで、教育の理想と経営の安定を両立できる。個別最適化された学びを提供することが、これからの塾が生き残るための“競争力”になると考えています。
今後、キャタルが目指す未来を教えてください。
私たちが目指すのは、世界で活躍できる生徒を育てること。そして、どんな生徒でも「英語が楽しい」「自分にもできる」と思える環境をつくることです。英語教育を強化したい学校や塾にとっても、キャタルの仕組みを導入することで指導の質が上がり、結果的に教室の価値を高めることができます。
今必要なのは、英語教育のDXです。人の思いを生かしながら、テクノロジーの力で生徒と教師の可能性を最大化すること。キャタルはその実現を通じて、英語教育の未来をアップデートしていきます。