中学受験「英語入試」完全ガイド:必要な英検級・最新動向・合格者の共通点

中学受験「英語入試」完全ガイド:必要な英検級・最新動向・合格者の共通点

近年、中学受験で「英語入試」を選べる学校が急増しています。キャタルに通塾している生徒や保護者の方からも「4科目受験にするべきか、英語を使った受験にするべきか」というご相談をいただくことが増えてきました。この記事では、「4科目受験か英語入試か迷っている」「何級が必要なのか知りたい」方に向けて、英語入試を導入している中学校一覧(2025年度版)や必要な英検級、中学受験における英語入試の現状と最新動向、そして効果的な対策について解説します。

目次

この記事でわかること

  • 英語入試が導入されている背景と狙い
  • 英語入試を実施している中学校と必要な英検級
  • 英語学習をはじめるべきタイミング

英語入試は約4割の学校で導入されている

2015年から増加し始めた英語入試

英語入試の採用校が増加し始めたのは2015年頃から
当時は年間15校程度だった導入校は、翌年に30校、その後60校、110校と倍々で増え、現在は約140校で安定。首都圏では約4割の学校が英語入試を導入しています。導入初期は少子化の影響を受けた中堅校が導入する例が多い傾向にありました。大学入試で英語の配点が高いことを踏まえ、英語力のある生徒を早期確保し、大学進学実績を上げる狙いがあったためです。

小学校の学習指導要領の変化が英語入試の導入を後押し

転機となったのは2019年
慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC中学)が一般試験に英語型を導入し、トップ校も英語を重視する姿勢を見せます。さらに、小学校5・6年生の英語教科化と成績評価の開始も、導入拡大を後押ししました。

2025年には豊島岡女子学園が「算数・英語資格入試」を導入

2025年入試では、東京大学合格者数で「元祖御三家」を上回り、新御三家のひとつと称される進学校・豊島岡女子学園中学校が「算数・英語資格入試」を新設
算数200点、英語資格100点(準1級=満点)という配点で、国語は必須ではありません。英検の取得級に応じて点数が加算される形式で、英検準1級保持者は100点、2級は90点、準2級は80点と定められています。これにより、国語があまり得意ではないインターナショナルスクールに通う生徒も受験しやすくなりました。
また、神奈川のトップ校・聖光学院も帰国生入試でインターナショナルスクール生を受け入れています。

入試形式の多様化により求められる英検級にも変化が起きている

2025年の入試時点で、英語入試を実施している学校は140校。求められるレベルは英検5級から2級相当まで幅広く、小学校の授業だけでは対応が難しい場合も多くあります。以下に、2025年度の英語(選択)入試導入校の中から、英検の取得級が合否判定に影響する学校や、試験内容の一部を抜粋してご紹介します。

2025年度英語入試導入校と実施内容・必要英検級(一部抜粋)

東京にある中学校(一部抜粋)|共学校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
郁文館英語資格活用型3級以上優遇制度あり
かえつ有明帰国生入試(英語筆記・英語作文・日本語作文)
駒込特色入試(英語[筆記・インタビュー]・国語・算数)出題は英検4級程度(一部3級)3級で加点/準2級以上で英語試験免除(100点換算)
芝浦工業大学附属英語(リスニング含む)・算数の英語入試
芝国際英語試験の得点保証2級:80点/準1級以上:100点保持級に応じて保証
東京学芸大学附属国際外国語作文・基礎日本語作文入試
帝京英語・国語・算数から2科選択
広尾学園英語入試2級以上または同等対象者限定で実施
広尾学園小石川英語入試2級以上または同等対象者限定で実施
武蔵野大学(中)英語資格による得点保証準2級以上:筆記90%/3級:70%保証配点あり
目白研心英語入試・保持級により加点3級〜1級3級60点/準2級70点/2級80点/準1級90点/1級100点
立正大学付属立正英語のみ入試(リスニング含む)

東京の共学校では「得点保証」「英語試験免除」「加点」など、英検級を直接合否評価に接続する方式が目立ちます。基準は英検3級から準1級まで幅があり、準2級〜2級での優遇幅が大きい傾向です。英語1科やリスニング含む実技型も一定数見られます。

東京にある中学校(一部抜粋)|女子校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
大妻中野資格優遇CSE2.0 1980点(2級)以上等学科免除
神田女学園資格優遇準2級以上特待Ⅲ(入学金免除)対象
豊島岡女子学園算数1科+英検級みなし得点3級〜準1級以上3級50点/準2級70点〜/2級90点/準1級以上100点
富士見丘英語資格入試(得点換算)4級〜2級以上4級70点/3級80点/準2級90点/2級以上100点
山脇学園英語入試3級相当以上対象者限定で実施

女子校は「みなし得点」「学科免除」など、英検級を定量換算する仕組みが明確です。準2級〜2級で満点換算・免除に達するケースが多く、戦略的な級取得のメリットが大きい構成です。

東京にある中学校(一部抜粋)|男子校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
佼成学園資格優遇準2級〜2級程度以上学科試験免除
聖学院英語のみ試験3級以上対象者限定で実施

男子校は「学科免除」や「英語単独試験」など、英語力の直接評価色が強めです。基準は3級〜2級が中心です。

神奈川県にある中学校(一部抜粋)|共学校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
公文国際学園英語・国語/英語・数学の選択入試
慶應義塾湘南藤沢帰国生入試枠
鶴見大学附属資格加点3級以上3級+10点/準2級以上+20点(合計点に加算)
桐蔭学園中等教育学校資格加点3級:60点/準2級:80点/2級以上:100点配点換算で加点
日本大学資格により英語試験免除可(希望制)2級以上免除選択可
横浜翠陵資格加点4級:50点/3級:60点/準2級以上:70点配点換算で加点

神奈川の共学校は「固定点の加点」「免除可」の明示が多く、3級〜2級での差別化が顕著です。出願戦略上、到達級がそのまま得点に反映されやすい構造です。

神奈川県にある中学校(一部抜粋)|女子校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
神奈川学園資格を100点満点換算で判定4級:50点/3級:60点〜/準2級:80点〜/2級以上:100点みなし得点で評価
カリタス女子英語資格入試3級相当以上対象者限定で実施
清泉女学院英語試験(2級程度)+英語面接2級程度面接併用
聖園女学院資格加点5級〜2級以上5級10点/4級15点/3級30点/準2級40点/2級以上50点

女子校はみなし得点・段階加点が整備され、2級で満点・最大加点に到達する設計が目立ちます。面接併用型もあり、運用は多様です。

埼玉県にある中学校(一部抜粋)|共学校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
浦和ルーテル学院資格加点3級:15点/準2級:18点/2級以上:20点配点換算で加点
浦和実業学園英語入試(筆記+英語面接)
開智所沢中等教育学校得点保証(CEFR比較採用)B1:80点/B2:90点/C1以上:100点保証点と当日点の高い方を採用
昌平資格加点3級:15点/準2級:30点/2級以上:45点配点換算で加点
西武学園文理資格加点3級:5点/準2級:10点/2級以上:15点配点換算で加点
星野学園総合選抜(英語・国語・算数、リスニングあり)

埼玉県内の中学受験校ではCEFR基準の得点保証など評価軸が明確で、資格加点の段階設計も細かいのが特徴です。英語面接の併用やリスニング導入も見られます。

埼玉県にある中学校(一部抜粋)|女子校・男子校

区分学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
女子校大妻嵐山2科選択(英語・国語・算数)問題:英検3〜4級相当
男子校城北埼玉特待入試(英語・算数のみ)

女子校は出題レベルの明示、男子校は英数2科の特待設定など、校別で運用差が明確です。

千葉県にある中学校(一部抜粋)|共学校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
暁星国際二科入試(英語・算数)算数は日本語/英語表記を選択可
光英VERITAS資格加点4級10点/3級15点/準2級20点/2級以上30点配点換算で加点
芝浦工業大学柏英語入試枠
昭和学院2科選択(英語・国語・算数)英語資格取得者は加点
麗澤帰国転編入制度海外からの帰国に対応

千葉県内での中学受験対象校では加点制度と枠設計が共存し、英語・算数の二科や英語入試枠など、受験型の選択肢が広いのが特徴です。

千葉県にある中学校(一部抜粋)|女子校

学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
和洋国府台女子資格優遇(英語試験免除)3級以上英語試験免除の優遇

女子校は免除型の優遇が明確で、所定級の取得メリットが直接的です。

その他のエリアにある中学校(一部抜粋)|共学校・女子校・男子校

区分学校名入試方式/評価英検級・基準優遇・換算等
共学校江戸川学園取手英語型(国・数・英)英検等の資格保有を総合評価に反映保持級を含め合否を総合判断
共学校土浦日本大学中等教育学校英語入試(リスニング+英語面接)面接併用
共学校佐野日本大学中等教育学校資格優遇3級以上優遇あり
共学校加藤学園暁秀バイリンガルコース:国・数・英(算数は英語表記)+英語面接面接併用
共学校西大和学園資格優遇(2科受験可)2級:30点/準1級:45点/1級:60点換算所定換算で2科受験可
女子校不二聖心女子学院資格優遇3級以上英語試験免除・得点換算可
男子校静岡聖光学院英語1科目入試

その他エリアは面接や英語1科、バイリンガル枠など多様な方式が併存し、資格換算による科目免除・受験科変更が戦略上の鍵となります。

英語入試には学校ごとの特色があり、実施形式は年々豊富に

入試形式は筆記のみ、または筆記と面接の組み合わせが主流ですが、面接やグループワークのみの学校も増えています。例えば、北豊島中学校の英語型入試では英語(リスニングあり)に加え、英会話(ネイティブ含む)の個別面接での入試を実施。桐朋女子では事前の英語課題と当日のインタビューのみの入試を実施しています。

英語入試が広がる背景にある教育の「インバウンド化」

英語入試が広がる背景にあるのは教育の「インバウンド化」です。

近年、日本で設立されているイギリス系ボーディングスクールには、中国からの留学生が多く入学していることをご存じでしょうか?そして、こうした教育のインバウンド化は、大学でも顕著に見られます。

この流れを受け、中学入試も従来の国語・算数・理科・社会の4科目だけにとどまらず、英語を取り入れる学校が増えています。背景には、国際化が進む社会で活躍できる人材を育てたいという学校側の狙いがあります。多様なバックグラウンドを持つ生徒を受け入れ、グローバルな視点を育むことが目的です。

実際、英語入試の合格者には、英検などの資格を早期に取得している生徒や、インターナショナルスクールで実践的な英語力を身につけた生徒が多い傾向があります。

小学校時代の英語学習が大きなアドバンテージにつながる

小学生(9〜12歳)は英語学習のゴールデンエイジ

中学受験に力を入れる小学4年生から6年生、つまり9歳から12歳という年齢は、外国語習得の「最後のゴールデンエイジ」です。この時期は、専門的には「臨界期」と呼ばれ、この期間に学ぶことでネイティブ並みの発音を習得できるとされています。9歳から11歳はこの臨界期と完全に重なるため、この時期に英語を学ぶ生徒は計り知れないほど大きなアドバンテージを得られます。一方で、中学に入ってから英語学習を始めた場合、このチャンスを逃したことによるハンディキャップに苦しむことになるでしょう。

はやめの対策と情報収集が英語入試の成功の鍵

中学受験における英語入試は、年々選択肢が広がり、多様な形式が導入されています。偏差値上位校でも英語を重視する動きが加速しており、英検などの英語資格が合否に大きな影響を与えるようになっています。お子さんの興味や特性に合わせて、英語入試という選択肢を積極的に検討し、早めに情報収集と対策を始めることが成功への鍵となるでしょう

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