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中学受験で英語を使うなら「いつから」「英検何級」が現実ラインか?

中学受験で英語を使うなら「いつから」「英検何級」が現実ラインか?

――英検級の「数字」だけを追う前に、知っておくべきこと

中学受験で英語利用を検討しているご家庭から、最も多く聞かれる質問が、次の2つです。「英語は、いつから始めれば間に合いますか?」「英検は、何級あれば中学受験で使えますか?」とても自然な疑問だと思います。

実際、ネットや噂では、「小3から始めれば間に合う」「英検準2級があれば有利」「小5からでも巻き返せる」といった、分かりやすい答えが飛び交っています。

そして、これらの情報は完全に間違っているわけではありません。英検の級が合否に直結する学校は実際にあります。学年によって現実的に目指せるラインも変わります。

だから「いつから」「何級」という問いそのものは、間違っていません。ただし、この問いだけを追いかけていると、もっと大事なことを見落とします。それは、同じ「2級」でも、中身がまるで違うことがある、という事実です。

この記事ではまず、中学受験の英語利用で求められるレベルを3つに整理し、そのうえで、英検の級だけでは見えない「実力の中身」の問題について考えていきます。

中学受験の英語利用、3つのレベル

中学受験における英語利用は、求められる英語力のレベルによって、大きく3つの層に分かれます。自分の家庭がどこを目指しているのかを、まず整理しておくことが大切です。

レベル① 最上位校で英語が「看板」になる受験

このレベルでは、英語は単なる加点要素ではありません。

学校側から、明確に高い期待値を持って見られる力になります。帰国生資格がなくても、卓越した英語力(英検2級以上など)があれば挑戦できる最難関校も含まれます。

慶應義塾湘南藤沢(SFC)

広尾学園(インターナショナルAG)

豊島岡女子学園

などが、このレベルの代表格です。

これらの学校では、英語力の高い生徒が、学校全体の学習環境や評価を引き上げる存在になることを前提として、選抜が行われます。生徒に求められるのは、長文を正確に読み、内容や論理を理解し、自分の考えを英語で書く力です。扱われるテーマも、環境、経済、科学といった、小学生が日常的に触れていない分野が中心になります。

このレベルでの現実ラインは、「英検2級〜準1級」相当の英語力です。

重要なのは、準1級を持っているかどうかではありません。準1級レベルの英文を、考えながら読み、論理的に書ける力があるかどうかです。学年の目安としては、小5の段階で2級相当、小6の初めには準1級に挑戦できる土台ができていることが、一つの基準になります。

レベル② 上位校で英語が「戦略武器」になる受験

このレベルでは、英語は受験全体を有利に進めるための強力な戦略要素になります。これらの学校は国際化を進めるリブランディングを進めることで、近年人気を集めている学校群です。

三田国際学園

広尾学園小石川

開智日本橋学園

サレジアン国際学園

などが、このレベルに含まれます。

これらの学校は、英語1科入試や、高配点の英語入試を採用しており、英語利用のうまみが最も出やすいゾーンです。ただし同時に、戦略を誤ると失敗しやすいゾーンでもあります。

このレベルでの最低ラインは、「英検2級相当」の英語力です。

小5から小6にかけて、2級相当の英語を「アカデミックな形」で使えるかどうかが分かれ目になります。

レベル③ 英語で「選択肢が広がる」受験

このレベルは、英語利用の中で、最もボリュームの大きいゾーンです。近年、伝統的な女子校なども積極的に英語入試を取り入れています。

山脇学園

共立女子

大妻中野

湘南白百合学園

かえつ有明

などが該当します。

英語があることで受験機会が増えたり、加点によって合格可能性が高まるケースが多く見られます。最上位校ほどの完成度は求められませんが、英語が好きで続けてきたことを、無理のない形で受験につなげる設計が重要になります。

このレベルでの現実ラインは、「英検準2級」相当です。

単に級を持っているかどうかだけでなく、基礎的な読解力があるか、短くても自分の考えを英語で書けるかどうかが、合否の判断ポイントになります。

同じ「英検2級」でも、中身がまるで違う

ここからが本題です。

レベルの整理だけなら、調べれば出てくる情報です。この記事で本当に考えたいのは、ここから先の話です。

英検の級を持っていることと、その級に見合う英語力があることは、同じではありません。率直に言うと、英検の合格結果は、実際の英語力よりも「高め」に出る傾向があります。英検は合格最低点が低く、準2級以下では、正答率が6〜7割程度でも合格することがあります。リスニングが強かったり、Writingで決まった型を覚えていたりすると、読解や語彙の理解が十分でなくても、合格できてしまうのです。英検「加点型」の学校では、それでも有利に働きます。級を持っていること自体が加点される仕組みだからです。

しかし、レベル①②のように、英語で独自問題を課す学校を受験する場合、話は変わります。「英検2級を持っている。だから、英語は大丈夫なはず」そう信じて過去問に取り組んだとき、思ったほど点が取れない。内容をうまく記述できない。そういう事態が、頻繁に起こります。

これは能力の問題ではありません。英検には受かっているが、その級に見合うアカデミックな力がついていない。いわば、級の中身が空洞化している状態です。

なぜ空洞化が起こるのか

空洞化は、偶然起こるものではありません。多くの場合、英検対策に最適化された勉強のやり方が、原因になっています。

わかりやすい例が、単語の覚え方です。英検対策では、頻出単語集を使い、英単語に日本語の訳をつけて覚える方法が主流です。効率よく合格ラインに届かせるための方法としては、理にかなっています。

しかしこのやり方では、その言葉が実際にどのような文脈で使われるのかを知らないまま、ラベルだけが貼られた状態になります。

一方、読んでいる英語の中で知らない単語に出会い、英英辞典でその言葉の本来の意味にアクセスし、用例ごと理解していく学び方では、単語が文脈の中に根を張った形で身につきます。同じ「2級の語彙がある」でも、和訳のラベルを知っているだけなのか、その言葉がどう使われるかまで分かっているのかでは、読解の深さがまるで変わります。

ライティングにも、同じ構造の違いがあります。英検対策のライティングは、合格するための型を覚え、そこに空欄を埋めていく練習が中心です。短期間でスコアを上げるには有効ですが、そこで鍛えられるのは、型にはめる力であって、自分の考えを組み立てる力ではありません。

一方、型をロジックの骨格として学び、自分の意見をその中に入れていく練習を重ね、書いたものにフィードバックをもらい、書き直す。この繰り返しの中で育つのは、考えを英語で構成する力そのものです。

同じ「Writingで合格点を取れる」でも、型を埋められるだけなのか、型を使って自分の考えを書けるのかでは、入試本番で発揮できる力に大きな差が出ます。

英検対策だけでは、2級あたりで止まる英検対策に最適化された勉強は、ある段階までは非常に効率よく進みます。級が上がるたびに成果が見えるので、本人も保護者も、順調だと感じやすい。しかし、この進め方には天井があります。2級あたりになると、リーディングの英文は急に長くなり、テーマも抽象度が上がります。

ライティングも、型だけでは対応できない本格的な出題になります。ここで、和訳ラベルだけで覚えた語彙では文脈が読めず、型を埋めるだけのライティングでは自分の意見が書けない、という壁にぶつかることになります。

勉強しているのに手応えがない。これまで順調だったのに、急に伸びている実感がなくなる。そういう状態が生まれます。

そして、もう一つ見落とされがちな問題があります。英検対策中心の勉強は、率直に言って、楽しくありません。

単語帳で和訳を暗記し、過去問を繰り返し解き、出題パターンに慣れることに時間を使う。これは、英語を学ぶ面白さとは、かなり遠い場所にあります。

原書でストーリーを読む。英英辞典を引いて、知らなかった言葉の世界が広がる。自分が書いた英語にフィードバックをもらい、もっと良い表現を見つける。こうした学びには、知的好奇心を動かす力があります。

英検対策だけを続けていると、2級あたりで実力の天井にぶつかるだけでなく、それまで好きだった英語が、つまらなくなってしまう。

そしてここが最も大切な点ですが、前回の記事で書いた通り、英語利用がうまくいく家庭に共通しているのは、「英語が好き」という気持ちが土台にあることです。

英検のための勉強が、その「好き」を壊してしまうとしたら、それは級を一つ取れないことよりも、はるかに大きな損失です。

中学受験は通過点でしかない

最後に、一歩引いて考えておきたいことがあります。中学受験は、英語学習のゴールではありません。あくまで、長い英語との付き合いの中にある、一つの通過点です。

中学に入ってからも英語は続きます。高校受験、大学受験、その先の進路。英語が必要になる場面は、むしろこれから増えていきます。

だからこそ、中学受験の時点で問うべきは、英検の級を持っているかどうかだけではなく、その英語力が、この先も伸び続けるものかどうか、です。

英検に最適化された勉強で取った級は、ラベルとしては残りますが、その先で英語が伸び続ける土台にはなりにくい。一方、本質的な学びを積み重ねてきた英語力は、英検にも通用しますし、入試でも戦えます。そして何より、中学受験のあとも止まりません。

英検は何級か。それは確かに大事な問いです。ただし、本当に問うべきは、その級の中身が、この先も伸び続ける英語力でできているかどうか。ここが、英語利用の成否を分ける、最も本質的な判断基準になります。

次に考えるべきこと

ここまで読んで、「うちはどのレベルを目指すべきなのか」「今の英語力は、中身の伴ったものになっているか」と不安になった方もいるかもしれません。それは自然なことです。中学受験の英語利用は、単純なチェックリストだけでは判断できません。

そこで、中学受験における英語利用の全体像を整理した資料をご用意しました。
お子さんの現在の「学年」「英語力」そして「志望校のレベル」を想定しながらご覧ください。

「いつから」「何級」という数字を追う前に、まず全体を俯瞰し、ご家庭の立ち位置を確認するための材料として、活用してみてください。

しばらく英検を受けていないお子さんも、キャタルの無料体験レッスンにお越しいただければ、現在の英語力の確認と共に受験についてご相談いただけます。事前に勉強をする必要は全くありませんので、少しでもご興味がございましたら一度、お近くの教室へご相談ください。

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