受験のない附属校生にこそ掲げてほしい将来の目標とは
附属校生に対してある「勉強しない」イメージ
「大学附属」「勉強」というキーワードをGoogleで検索すると、ネガティブな内容の記事ばかりが出てきます。「就職に不利」「勉強もしないし、忍耐力もない」「後悔する親」という検索結果が目立ちます。
ですが、本当にそうでしょうか?
私は大学付属校に通う生徒にあるこのような負のイメージは必ずしも正しくないと思います。
受験の代わりに大学で留学を勧める3つの理由
附属校生に「勉強しない」イメージがあるのは、受験がないため、目標を持って勉強をする機会がないからです。しかし附属校に通う生徒は、中学受験や高校受験のためだけの勉強に時間を割く必要はなく、英語学習のような、自分の人生設計に必要な勉強に集中することができます。大学での学びや、就職、そして仕事で活躍することを念頭に置いた際、大学での長期交換留学をぜひ目指してほしいと私は考えます。大学で留学に行くメリットはたくさんありますが、まとめて以下の3つの項目が考えられます。
1. 語学力が身につく
2. 休学せずに海外で勉強できる
3. 目標を掲げて勉強する経験になる
大学交換留学の現実 — 帰国子女しか良い学校に行けない?
一概に大学での留学と言っても形式は様々です。その中で今は、特に長期交換留学が人気です。例えば慶應義塾大学では100校にも及ぶ協定校が世界中にあり、長期交換留学ではそれらの大学に1年間行くことができます。また、日本の大学の学費を払うだけで世界の名門校で勉強できる場合が多く、人気の理由となっています。
様々な学校がありますが、その中でもやはり英語圏への留学が倍率が高く、志望する人の半分しか行けません。第一志望の大学に行ける人はさらに少ない数になります。行くためには、学内審査で志望理由や学習計画を日本語と英語の両方で提出するほか、学校の成績と英語能力試験のスコアが必要です。英語のスコアは大学によって満たさないといけない基準が異なりますが、ほとんどの大学で高い英語力が求められます。そのため、数少ない留学の枠の多くを帰国子女が占めているのが現実です。
しかし言い換えると、英語能力試験のスコアさえ満たすことさえできれば、誰でも留学できる機会はあります。そのため、海外経験が無い附属校生でも英語圏に留学することも可能です。つまり、早くから留学に向けた英語学習ができて有利であるとも言えるのではないでしょうか。実際に、このように非帰国子女でありながら、英語の勉強をして英語圏に留学に行った附属校出身の方の経験をご紹介します。
慶應義塾を内部進学したYさんは現在法学部に通う4年生。去年、米アレゲニー大学に1年間留学していました。ペンシルベニア州にあるアレゲニー大学は1815年創立という長い歴史を持ち、幅広い勉強ができるリベラルアーツが盛んで有名です。
中学校から慶應に通っていて、高校、大学と受験をしなかったYさんは高校生の頃から何かにチャレンジしたい気持ちがずっとあったそうです。そして大学進学とその先を考えた時、中学から慶應に在籍している自分のバックグラウンドが狭いと感じ、自分の価値観や常識が全く通用しない世界に飛び込んでみたいと思い、高校生の頃に大学での交換留学を目指し始めました。
アレゲニー大学は現在、TOEFL iBTで120点中81点を最低条件として海外留学生に求めています。他の英語圏の大学に留学するにも、同様な点数が必要です。帰国子女ではないYさんは高校までは英語とはほとんど無縁で、興味が無かったそうです。初めて受けたTOEFL iBTスコアは30点台。しかし大学に入ってから本格的に留学準備を始め、YさんはTOEFLの対策塾に通い始めました。そこでは特にリスニングに力をいれ、ディクテーション、シャドーイング、そして暗記を繰り返しました。そうすると1年間でTOEFLiBTのスコアをなんと50点も伸ばすことに成功。85点まで上げて、留学に出願したそうです。

留学で得た高い英語力と国際的に活躍するための術
Yさんは1年間のアメリカ留学を通して英語力は全面的に向上したそうですが、その中でもリスニングが一番鍛えられたと実感しています。それでもはじめは、現地の人の会話に慣れるのに大変苦労したと言います。しかし1年経つと普段の生活でも、授業の中でも、全く苦労なく英語を聞き取れるようになったそうです。
英語力だけを見ても、Yさんが留学に行ってよかったと感じていることは言うまでもありません。しかし、英語力の向上と、未知の世界に触れられたことだけがYさんが留学で得たものではありません。Yさんはアメリカへ行って、国際的に活躍するための術を学んだと話してくれました。慣れない環境の中でどのように生きていくか、また、与えられている機会や環境をいかに駆使して成長に繋げられるか。そのようなことを留学を通して考え直すことができたと感じています。
中学高校の時は英語に真剣に向き合っていなくても、高い倍率をくぐり抜けて大学で交換留学に行けること。そして、行った先では勉強の他にも多くの将来の糧を得られること。Yさんの経験はまさに、附属校生の留学の成功例であると言えます。しかしYさんの場合は大学入学後に留学に向けて準備を始めました。さらに前から留学を意識すると、もっと力をつけてから留学に行くこともできるでしょう。
最後に — 附属校生だからこそ留学へ
初めにお伝えした通り、英語圏への長期留学は倍率が高くて困難だと思われています。しかし現実には、TOEFLのスコアさえ足りれば、誰でも行くことはできるのです。帰国子女ではないから、海外経験がないからと言って、留学を諦めないでほしいと私は思います。
Yさんのように違う環境に自分を置いてみたいと思っている方や、何か達成したい夢がある方は是非、大学での長期留学を検討してみてください。留学すると多くの将来の糧を得られるほか、留学を目指すこと自体が明確な勉強の目標となり、人間的な成長にもつながります。附属校生は特に準備をする時間があります。ぜひ、受験の代わりの目標として留学を高校、または中学の時から掲げて勉強することをお勧めします。
では、大学の留学制度とはどのようなものでしょうか。また、具体的にどのような準備をする必要があるのでしょうか。この先の記事では、留学を目指す上でのステップについてご紹介していきます。
ぴったりの留学方法が見つかる!目的から考える大学での海外留学
色々あってわかりづらい、長期留学の種類
現在、留学の種類が多様化しています。短期留学、長期留学、高校や大学で行く留学。海外の大学に4年間就学する人も増え、インターンという形で海外に行く人もいます。その中、私は以前の記事で、大学での長期留学を勧めてきました。
そして特にお勧めなのが、大学の交換留学枠を使って留学することです。
大学での長期留学と一口で言っても、交換留学の他にも様々な形式が存在します。それぞれのプログラムの形が違うため、特長が違えば、見合う人も異なります。またそれ以上に、かかる費用から、必要な条件も様々です。大学で長期留学をどう行くかを考えている方も、行くかどうかを検討している方も、どの形式が自分の目的や持っている条件に最適かを見極めることは非常に重要となるのです。
どうすれば良い留学方法が見つかるのか
自分の目的に最適なものはどう見つければ良いのでしょうか。多くの留学方法を大きく4つにまとめ、それぞれに対して判断基準となるような要素を比較すると、以下のようになります。(留学エージェントや日本の大学によって異なる条件もあります。)
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大学の交換留学制度を用いた留学がお勧めな3つの理由
比較してわかるように、同じ大学の長期留学でも、行く手段によって様々です。そして、最良なのはもちろん、繰り返して述べていますが、自分の持っている成績や英語のスコア、もしくは行きたい目的によって手段を選ぶことです。しかしどんな方にも、大学の交換留学制度を用いて行くことを一番にお勧めします。その理由として、以下の3つ挙げることができます。
1 学費が安い
2 有名校に行ける
3 就職の選択肢が広がる
まず、本当ならば学費が高い海外の大学に、日本の大学の学費で行けることが最大の魅力です。特に、4年間海外の大学に就学するとなると、奨学金なしではかなりの額になっていまします。また、その学費で、海外のトップクラスの学校に通うことができます。在籍大学によって異なりますが、ほとんどの日本の大学は海外の名の通ってる大学と提携していることが多く、質の高い教育を、交換留学制度では受けられるのです。そして最後に、1年間の留学後、日本でも海外でも就職しようと思えばすることができます。4年間海外の大学に通うのと、4年間日本にいるよりも、はるかに選択肢が広がるのです。
大学の交換留学にどうしたら行けるのか
上記でお伝えした通り、大学の交換留学制度を用いて留学をするのが一番魅力的な方法だと言えます。しかし、魅力的だからこそ、他の方法で留学するよりも倍率は高くなってしまいます。特に、有名校に留学するのは、格段と難しいです。
大学の交換留学の選抜では、1年間という限られた期間でどれほどの有意義な学びができるかを重要視しています。そのため、留学先で学びたいことがはっきり決まっている人、そして、学ぶ上で支障のない語学力をすでに持っている人でないと、なかなか有名校には行くことはできないのです。
続いて、交換留学の倍率の高さをくぐり抜けるためためには具体的にはどのような語学力が必要なのか、また、どのように準備をすれば良いのかを紹介します。
帰国子女じゃなくても大丈夫!大学で交換留学に行くために必要なこと
倍率が高くて人気な大学の交換留学
留学の方法が多様化している今、自分に見合った留学時期、そして留学種類を選ぶ必要がますます増えています。その中、費用を抑えて日本での勉強に支障なく長期留学ができる大学の交換留学は高い人気を保ってきました。
しかし、大学の交換留学は倍率、そして求められる条件が高いのが現実です。また多くの大学では、海外経験がありすでに語学力を持ち備えている帰国子女の生徒が、人気がある留学先の学校への切符を勝ち取っていることがほとんどです。
でも「海外で勉強した経験がないからこそ、行きたい大学で学びたいことを学びたい。」そう思われる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、留学経験がなくても希望の学校へ留学しているのはどういった人物なのか紹介していきます。
留学できる人の3つの特徴
その1 やりたいことがある人
大学の交換留学では、交換留学を志望する理由、そして希望の大学を志望する理由など、細かく志望理由や学習計画を書いて提出する必要があります。多くの場合、志望先の大学それぞれに合わせて志望理由を書きます。そのため、学びたいこと、それを学ぶためにその大学を希望する理由、そして学んだことをどう日本に帰国してから活かすかが明確でないといけません。
例えば、高校生時代に初めて投票した時から政治に興味を持ち、留学先では政治学の勉強をしたいこと。そして、政治学の中でも、日本の若者の政治参加について問題意識を持っていて、そのような政治心理学を専攻としている教授の元で学びたいということ。また、帰国したら現在大学で行なっているコミュニケーション学との関連で研究をさらに進める、といった方針。そのような先を見据えた学習計画が具体的であればあるほど、志望理由は説得力のあるものになります。
その2 やりたくないことでもやれる人
また、学校の成績(GPA)を重視するのも大学での交換留学の特徴の1つです。好きなこと、そして自分の得意分野にだけ特化していては勝ち残れる可能性は低いです。そのため、在学中の大学で取る授業全てにおいて良い成績が取れること、つまり、やりたくないことでもやれる力があることを見せることも、大学の交換留学では必要なのです。
その3 やりたいことをやれる力がある人
最後に、いくら明確な目標を持っていても、留学先でそれを実行する能力がないと交換留学に選ばれることは少ないです。その能力の中で最も重要視されているのが語学力。語学力が備わっていなければ、授業を受けても得られる学びが少なくなってしまうからです。他にも、言語に不自由していて留学先の生活に苦労していると、充実した大学生活は送れません。つまり、留学というチャンスを最大限に活用し、学びたいことを学び、自分の目標を達成するために、そのツールとして最低限の語学力が必要となるのです。
留学に必要とされる英語力
その中でも留学で特に必要とされているのは、英語で学ぶ力であるということができます。なぜなら、留学の主目的は学びであり、留学を志望した理由の「やりたいこと」をやるためには英語で授業を受け、英語で勉強するからです。英語を用いて様々な事を学ぶ力がなければ、留学に行っても何も得ることはできません。しかし日本の一般の英語の授業では「英語を学ぶ」ことを主に行うため、学校の授業だけでは、「英語で学ぶ」力はなかなか身につかないのです。
そのような、留学で必要とされる英語で学ぶ力をつけるためには、初めから英語で英語を学習する方法が有効であるといえます。英語を使って習得することで、わざわざ日本語に置き換える必要のない、バイリンガルのような英語能力が身につくからです。まさに、海外経験を通して習得できる英語はこのような能力です。そのため、日本にいながら英語を英語で学習し、加えて、他の科目も英語で学ぶ機会があれば、留学に必要な英語で学ぶ力が確実に身につくはずです。
英語塾キャタルは英語力の高いバイリンガルが英語を身につけた方法で学べるカリキュラムになっています。それは留学でも使える「英語を英語で学ぶ力」です。
1 英英辞典を使って、英語を英語で説明する力や言い換える力をつける
2 レッスンは全て英語で行い、授業時間は完全に英語脳に切り替えられる環境
3 スピーキングやライティングといったアウトプットを重視し、他の教科で学んだことを自分の英語力でアウトプットできるようにする。
帰国子女じゃなくても交換留学へ
日本国内でも英語教育の形が変わってきています。そのため、帰国子女でなくても高い、実用的な英語力を身につけることは可能になっています。大学の交換留学に関して言えば、海外経験のない人でも条件が揃っていれば倍率の高い人気校に行くこともできます。そのため、自分の必要な能力に見合った英語の学習方法を早いうちに見つけ、小中高生のうちから準備を行えば、誰でも交換留学に行くことが可能なのです。そして受験がない内部生は特に、留学を目の前の目標の一つとして立てて、ぜひ挑戦してもらいたいです。
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