慶應義塾ニューヨーク学院というと「学費が高い」というイメージもあります。
では実際はどれくらいかかるのでしょうか。
目次
慶應NY学院の学費
慶應ニューヨーク学院のウェブサイトによると、学費は以下のようになっています。
入学金:3,700ドル
授業料:25,250ドル
寮費:15,200ドル
教材費:2,000ドル
施設設備費:2,000ドル
プログラム費:1,000ドル
入学検定料:500ドル
入学金など、初年度のみの費用を除くと、一年間にかかる学費は約45,000ドルで、1ドル110円で計算すると約500万円になります。
このほか、年3回の長期休暇に帰省するための渡航費や、クラブ活動費、お小遣いなどを考慮すると、トータルでかかる費用は年間600万円程度といえます。
やはり、高いと感じるかもしれません。
額面だけで言えば、年間600万円は確かに高額です。
一方で、教育は投資ですので、投資にはリターンがあります。ですから教育費を考える時は、額面だけではなく、かけた金額と将来のメリット、という「投資効果」の面でも検討すべきだと考えます。
では慶應ニューヨーク学院の投資効果はどうなのか、他の選択肢と比較してみましょう。
海外留学をして現地校に通う場合
現地校に通うと、英語オンリーの環境で生活をするわけですから、英語力はかなり身につきます。
その後、日本の大学に進学を希望する場合は、帰国子女の枠で受験ができますので、一般入試で受験するよりは入りやすくなるでしょう。
しかし大学入試ですから、相当努力しても必ずしも成功するとは限りません。現地校への留学経験があっても、慶應や早稲田、上智といった一流大学に帰国子女入試で合格するにはハードルは高く、TOEFL100点以上あり、SATや、3年間の学校での成績も優秀であることが求められます。すでに小学生から海外の現地校に通っている日本人もたくさんいて、彼らがライバルになるわけですから、帰国子女入試で勝ち抜くための負担は大きくなるでしょう。
費用面では、イーストコーストの現地校に留学するなら、年間7万ドル(約800万円)かかります。
例えば、隣町にある名門高校、マスターズスクールの場合、学費と寮費を合わせた実費は72,000ドル、約800万円で、慶應ニューヨーク学院よりかなり高額です。これに渡航費とお小遣いを入れると年間900万円になります。
アメリカ東海岸にあるボーディングスクールは平均的に60,000ドルから70,000ドルの学費が必要です。1年間で300万円の差があるということは、3年間で900万円もの差になります。
一方、慶應ニューヨーク学院の場合は、現地校への留学よりも金額が安く、慶應義塾大学への進学が保証されていますから、大学入試への負担もありませんので、その分さまざまな経験をし、充実した学校生活を送りながら、英語力も身につけることができるでしょう。
日本国内の高校に進学して慶應大学を目指す場合
日本の英語教育は受験英語ですので、志望する大学に合格できたとしても、実際には英語でコミュニケーションができるようになるわけではありません。
これほど英語が必要とされている時代に、将来、世界で活躍できる英語力を身につけるには、海外経験がある人の方が圧倒的に有利です。
慶應ニューヨーク学院では、授業は7割が英語で行われ、クラブ活動では現地校との対戦試合や、ボランティアや文化交流が積極的に行われているため、必然的に英語が身につきます。
かつ、寮生活で自立心も養われ、入試をすることなく慶應大学へ進学できますし、アメリカの大学へ進学する道を選択することもできます。
慶應ニューヨーク学院でかかる年間約600万円という金額には、学費の他に寮費や生活費も含まれています。学費(授業料と教材費)だけで言えば年間27250ドル、約300万円です。
以上のことを考慮すると、慶應ニューヨーク学院には「英語力が身について、慶應義塾大学へ進学ができる」という、他の選択肢にはない大きな魅力があります。
魅力に対して金額はついてくるものです。
投資効果を考えても、慶應ニューヨーク学院の年間600万円という金額は、それだけの価値が充分にあると言えるのはないでしょうか。
海外にある他の日本人学校との比較
慶應NY学院は、ニューヨークにある慶應義塾一貫教育校です。同じように、「日本の学校が運営している海外にある高校」は他にもあります。そのうち主要な3校(立教英国学院・スイス公文学園高等部・早稲田渋谷シンガポール校)と、学費について比較してみましょう。
額面での比較
海外にある日本人学校への進学を検討する際、気になるのは学費です。各校のウェブサイトに掲載されている1年間の学費(授業料・寮費・施設費など)を比較すると、以下のようになります。
1年間の学費 | 日本円換算(*) | 備考 | |
慶應NY学院 | 43,950ドル | 472万円 | |
立教英国学院 | 24,000ポンド | 328万円 | |
スイス公文学園 | 48,000スイスフラン | 528万円 | |
早稲田渋谷シンガポール校 | 42,725シンガポールドル | 339万円 | 男子寮と女子寮で寮費は異なる(男子寮で計算) |
*1ドル107.30円、1ポンド136.85円、1フラン110.08円、1シンガポールドル79.25円で計算したものを四捨五入
高いか安いかは費用対効果で決まる
教育は投資であり、かけた費用とそれによる効果で価値が測られるべきです。次は、額面だけではなく、その後の進学先について比較してみましょう。
慶應NY学院(アメリカ):卒業後は日本の慶應義塾大学に100%進学が保証されているので、大学入試の負担がなく、充実した高校生活を送ることができます。
立教英国学院(イギリス):立教大学への推薦入学枠は20名です。1学年が40~45名ですので、推薦で立教大学に進学できるのは半数程度ということになります。
スイス公文学園高等部(スイス):指定校推薦はありませんので、全員が普通に大学受験をする必要があります。また、スイスは他の3国よりも物価が高いため、生活費を含めると金銭的負担はさらに大きくなります。
早稲田渋谷シンガポール校(シンガポール):1学年100名に対し、早稲田大学への推薦枠は75名です。2019年の実績では、早稲田大学に進学したのは106名中68名でした。早稲田渋谷シンガポール校は他の3校と違って、海外に保護者が在留資格を持っていないと受験ができませんので、日本から受験する場合は、保護者とともに移住する必要があり、そのハードルも高くなります。
こうしてみると、慶應NY学院は、卒業後に慶應義塾大学への進学が100%保証されていることが大きな魅力であることがわかります。海外の日本人学校への進学を検討する際は、額面だけでなく、いかに効果的な投資であるかを考慮すると、慶應NY学院はとても価値の高い進学先だと言えるでしょう。
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