目次
1.英検5級とは?
英検5級は、英検(実用英語技能検定)のなかで最も基礎的なグレード。中学初級レベル(語彙数300〜600語)の英語力を測定する試験で、合格率はおおよそ80%前後。英語学習の最初のステップとして、子どもたちに自信と学習意欲を与える“成功体験”となります。
5級に合格すると……
- 基本単語と文法が体系的に身につく
- 合格体験がモチベーションを高める
- 4級・3級、さらには中学受験英語や海外進学への橋渡しに
キャタルでは、「英語が楽しい!」と感じながら学ぶことが、長期的な成長の鍵であると考えています。
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2.試験概要と合格基準
セクション | 問題数 | CSE配点 | 時間 |
---|---|---|---|
リーディング | 25問 | 425点 | 25分 |
リスニング | 25問 | 425点 | 約20分 |
スピーキング* | 4問 | 266点 | 約5分 |
*スピーキングは任意受験。合否に影響はありませんが、積極的な挑戦がおすすめです。
合格基準:リーディング+リスニングのCSEスコア合計419点以上。英検5級は、日常的な表現や基本文法が出題され、初心者でも十分に到達可能なレベルです。
3.試験日程(2025年度)
回 | 試験日 | 受付期間 | 合否結果 |
---|---|---|---|
第1回 | 6月1日(日) | 3月24日〜5月2日 | 6月23日(月) |
第2回 | 10月5日(日) | 7月1日〜9月5日 | 10月27日(月) |
第3回 | 2026年1月25日(日) | 10月31日〜12月15日 | 2月16日(月) |
4.キャタル式“楽しく”続けて「使える英語力」へ
4-1. ストーリーブック多読&音読:英語の五感記憶を育てる読書習慣
語彙・発音・読解力を同時に育てるベーストレーニングとして、「毎日10分の音読」を実践してみるのはいかがでしょうか。使用するのは、Lexile指数300〜400程度のストーリーブック。たとえば:
- 《Magic Tree House》
- 《Oxford Reading Tree “Songbirds”》
- 《Green Apple》や《Black Cat》シリーズ
これらの本は、音声付きのものも多く、耳・目・心を同時に動かすことが可能です。物語を通して「場面」「行動」「感情」が連動するので、単語が“感覚記憶”として定着しやすくなります。たとえば、“cold”を覚えるとき、「冬の雪景色で震える主人公」の場面を思い浮かべることで、記憶がより強固になります。
補足:Lexile指数とは?
Lexile指数とは、英語の読書難易度を測る指標で、単語の複雑さと文の長さに基づいて数値化されています。例えば、英検5級〜4級レベルに対応するのは Lexile 300〜500 程度。英検2級であれば 〜800前後 が目安です。「Lexile 800 booklist」などで検索すれば、レベル別のおすすめ書籍が多数見つかります。
4-2. 単語カード&忘却ゼロの記憶術:脳に残る“使える語彙”の作り方
キャタルで推奨しているのは、英英辞典ベース+文脈学習による単語カード法です。
表面には、文脈付きの穴埋め英文と英英定義
例:
(___) areas often have more job opportunities than rural areas.
→ Related to a city or town.
裏面には正解の単語
urban
このように、意味を日本語でなく英語のまま理解し、文の中で覚えることがポイントです。また、カードは「New」「×」「○」の3つに仕切られたボックスに分類して運用します。
忘却防止のサイクル例:
- 新出単語は「New」に入れる
- 解答が間違えば「×」、正解すれば「○」へ
- 「○」が3回正解すれば定着とみなし外す、間違えたら再度「×」へ戻す
→ 記憶の定着に合わせて出現頻度を調整でき、短期記憶から長期記憶へ自然と移行します。
4-3. “1行アウトプット”習慣:4技能の芽を育てる毎日の実践
ライティングテストがない5級でも、「書く→読む→話す」の習慣をつけることは非常に重要です。
- 毎日5分、「I played soccer today.」のような1行日記を書く
- 書いたものを音読する(できれば録音・再生)
- できれば家族や先生に伝えてみる
このルーティンによって、「自分の英語で伝わる」感覚が芽生え、実際に使える英語力へと育っていきます。
メソッド | 習得できる力 | 実践方法 |
---|---|---|
ストーリーブック | 語彙力・読解力・発音・リスニング | Lexile 300〜400の洋書を毎日10分音読 |
単語カード | 英英理解・長期記憶・文脈活用 | 穴埋め+定義でカード作成→ボックス運用 |
1行アウトプット | 表現力・ライティング基礎・自信 | 毎晩1行→音読→できれば誰かに伝える |
上記を実践していくことは、受験にとどまらず、その先の「本物の英語力」につながる習慣作りを支えます。小さな成功体験を積みながら、お子さま自身が英語学習を前向きに楽しめるよう設計されています。
5. セクション別対策 ── 試験形式に沿った効率的アプローチ
◆ リーディング:まずは「文のかたち」を身につけよう
英検5級のリーディングでは、基本的な英文の語順と中学1年生レベルの文法知識が問われます。特に頻出するのは以下のような文法要素です:
- 前置詞(in / on / at など)
- be動詞の使い分け(am / is / are)
- 一般動詞との違い(He plays soccer. / She is happy.)
- 肯定文・否定文・疑問文の語順
出題形式としては、「空所補充問題」「会話文の応答」「語句の並び替え」が中心です。これらの問題に対応するには、文の構造パターンを繰り返し練習することが最重要です。
対策のポイント:
- 教材や過去問で「空欄の前後を見て、どんな品詞が入るか?」を考える癖をつける
- 並び替え問題では主語+動詞の基本構文をすばやく見抜く
- 5級で必要な語彙・文法は比較的限られているため、反復演習で定着可能
◆ リスニング:聞く耳を育てる3ステップ練習法
リスニングセクションは、日常会話レベルの非常にシンプルな英語で構成されています。しかもすべての英文が2回繰り返して読まれるため、慌てず取り組めば十分対応できます。
おすすめの学習法は、以下の3段階ステップです:
- リピート:文を聞いたあとにそのままマネして声に出す
- オーバーラッピング:音声を聞きながら、同時に発話する(重ね読み)
- シャドーイング:少し遅れて発話し、イントネーション・リズムまで真似する
さらに、イラスト付きの設問では、
- イラストを見る → 選択肢に目を通す → 音声を聞く
という順で情報処理することで、聞き逃しを防ぎやすくなります。
対策のポイント:
- CDや音声アプリを使い、1日15分の習慣を継続
- 英語音声を“見ながら聞く” → “聞きながら読む” → “聞くだけ” の順で負荷を調整
- 苦手な音(例:th, r, l)を意識して練習することで、聞き取り精度がアップ
◆ スピーキング(任意):短くても「自分の言葉」で話す習慣を
英検5級のスピーキングテストはオンライン形式で実施され、主に以下のようなステップで構成されます:
- 約20語の英語文を音読
- その文の内容に関する質問に答える
- 「あなたはどんな食べ物が好きですか?」といった自己紹介的な質問に答える
受験は任意ですが、話す練習を通して「使える語彙」が定着する絶好のチャンスです。
最初は “Yes.” や “I like apples.” のような3語の短い文からスタートし、徐々に5語、7語と語数を伸ばしていきましょう。
対策のポイント:
- 自分の身近な話題(好きな食べ物・週末の過ごし方など)を1日1テーマ練習
- 録音して自分で聞き返すと、発音や内容の改善点に気づける
- 会話表現に慣れるために、アプリや先生との模擬練習も効果的
セクション | 重点ポイント | 推奨トレーニング法 |
---|---|---|
リーディング | 基本文法・語順の反復 | 空所補充・並び替え問題の過去問演習 |
リスニング | 耳と口を同時に鍛える音声トレーニング | リピート → オーバーラッピング → シャドーイング |
スピーキング | 自分の言葉で話すことに慣れる | 3語→5語→7語と段階的に表現を拡大 |
英検5級の各セクションは、基礎的な内容で構成されているからこそ、毎日の小さな積み重ねが結果を大きく左右します。バランスよく取り組みながら、「伝わる英語」を目指しましょう。
6.よくある失敗と改善策 ── 合格に向けて避けたい3つのNGパターン
NG①:和訳付き単語帳の丸暗記
なぜダメ?
「apple = りんご」「play = 遊ぶ」のように、日本語訳だけで覚える単語学習は、リスニングやスピーキングに活かせません。試験では英語を聞いてすぐに理解する力が求められるため、和訳だけに頼って覚えても、実際の英語音声に反応できないのです。
解決策:英英定義+例文で覚える
単語は英英辞典の簡易定義(例:”apple = a round fruit”)と一緒に覚えると、英語のままイメージできる力が育ちます。また、例文とセットで覚えると文の中で自然に使えるようになります。キャタル式では「英英定義+穴埋め文+単語カード」の形式で、リスニング・リーディング・スピーキング全体に活きる語彙力を育成しています。
NG②:過去問を“解きっぱなし”
なぜダメ?
過去問を解いても、「なぜ間違えたのか」を振り返らなければ弱点が残ったままです。同じミスを繰り返すことになり、得点が伸びにくくなります。また、「できなかった問題」に自信を失う原因にもなりかねません。
解決策:間違えた理由を記録 → 再テスト
解き終えたら、正解・不正解の結果だけでなく、「どこで迷ったのか」「文法なのか語彙なのか」といった原因を言語化して記録しましょう。その後、1週間後に「もう一度テスト」を実施することで、知識の定着度を確認できます。このサイクル(解く→振り返る→再挑戦)を回すことで、弱点が強みに変わっていきます。
NG③:実力不足のまま受験してしまう
なぜダメ?
英検が初めての受験で不合格になると、「英語が苦手」という印象を持ってしまい、やる気が続かないことがあります。特に小学生など初学者にとって、試験での失敗体験は学習意欲の低下につながる可能性があります。
解決策:TOEFL Primaryや模擬試験で実力チェック
いきなり本番を受けるのではなく、まずは模擬試験やTOEFL Primary Step 1などの力試しを活用しましょう。英語塾キャタルでは、英検5級相当の「トライアル模試」や「過去問演習+スピーキング模擬練習」などを通じて、合格可能性が高まってから本試験に挑むよう指導しています。これにより、初受験での成功体験を確実に積みやすくなります。
NG勉強法 | なぜダメ? | 解決策 |
---|---|---|
和訳付き単語帳の暗記 | 聞き取れない/使えない語彙になる | 英英定義+例文で覚える |
過去問を解きっぱなし | 弱点が見えない・定着しない | 間違いの理由を記録し、再テストで確認 |
実力不足で本番に挑戦 | 不合格でモチベーション低下 | 模試やTOEFL Primaryで事前チェック |
英検5級は「英語学習のスタート地点」だからこそ、成功体験が何よりも大切です。準備不足で失敗しないよう、正しい学習法で着実に合格を目指しましょう。
7.英検5級合格後のステップアップ──次の目標に向かって進もう!
英検5級は、英語学習のスタート地点。合格はゴールではなく、その先の学びへの「パスポート」です。ここでは、4級・3級へとスムーズにステップアップするための対策ポイントをご紹介します。
▶ 目標①:英検4級
学習目安:語彙数 約1,300語/文法レベル 中学2年程度
英検4級では、英検5級で学んだbe動詞や一般動詞に加えて、「過去形」「助動詞(can, will など)」の理解と運用が求められます。リスニング問題や会話文もやや長くなるため、正しい語順や基本構文を定着させておくことが重要です。
対策ポイント:
- 語彙は1,300語を目安に拡張(テーマ別にまとめると効率的)
- 過去形(played, went, had など)とその文型に慣れる
- 助動詞を使った依頼・提案・可能表現に対応
- ストーリーブックの難易度をLexile400〜500に引き上げて、読解力を強化
▶ 目標②:英検3級
学習目安:語彙数 約2,100語/文法レベル 中学卒業程度
3級からは「ライティング」「スピーキング」の本格試験が始まります。自分の意見を1分以内で述べたり、簡単なエッセイ(25〜35語)を書く力が求められます。文法も「現在完了」「不定詞」「動名詞」「比較」「接続詞」などが加わり、表現の幅が大きく広がります。
対策ポイント:
- 自己紹介を1分以内で言えるように準備(名前・趣味・家族・学校など)
- ライティングでは「主張→理由→例→結論」のミニ構成を練習
- 「現在完了」「不定詞」などの複雑な文法に触れ始める
- 多読教材をLexile600〜700へと進化させ、物語の中で語彙・文法を吸収
8.初めて英検を受けるなら──「楽しい」が最大の成功戦略!
英検5級は、子どもたちが初めて「試験」という形で英語に挑戦する機会。ここで得る成功体験が、その後の英語学習のモチベーションを左右するといっても過言ではありません。
英語は“勉強”より先に“好き”になることが大切!
- 初めての英検では「合格」を目指しながらも、楽しく学ぶことを最優先に。
- 英語の歌・絵本・アニメなど、感情と五感を動かす教材を活用し、「英語=面白い」と思える体験を積みましょう。
- 合格したときには、しっかりと「がんばったね!」と声をかけて、自信と達成感を実感させてあげてください。
英検5級|お子さまの苦手を克服するアドバイスをダウンロード
英語塾キャタルのバイリンガル教師が、実際にレッスンでアドバイスしている対策を資料にまとめました。大問別に何が苦手でつまずいているのか、苦手を克服するためにどんな対策をしたら良いのかがわかります。
英検の過去問を解いた後や試験の結果が出た後は、振り返ることがとても大切です。ただ解いて終わりではなく、「なぜここで点数が取れていないんだろう?」「もっとできるようになるには?」と振り返ることで、英語力を伸ばしていくことができます。
ぜひ、このレポートをダウンロードしてお役立てください。
9.キャタルなら英語がもっと”楽しく”なる!
英検5級は、英語の世界に踏み出す最初のステップ。リーディング・リスニングを中心に、基礎的な単語や表現を身につけながら、「聞けた!」「読めた!」という成功体験を得ることができます。でも本当に大切なのは、その後どう英語と向き合っていくかです。
キャタルでは、英検合格を“通過点”ととらえ、4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく伸ばすカリキュラムを提供しています。絵本の音読やCD音声を使ったシャドーイング、1行日記やスピーキング練習など、インプットとアウトプットを毎日の習慣に落とし込み、「英語って楽しい!」「もっと話してみたい!」という感覚を自然に育てていきます。
さらに、キャタル独自のAI添削×バイリンガル講師による「rewrites」により、「なんとなく話せる」から「正しく伝えられる」英語力へと導きます。独学では難しい“表現力”を、ていねいなフィードバックを通じて着実に育てられるのがキャタルの強みです。
英語力のスタートラインに立った今だからこそ、
- 英語を“勉強”にしない
- 英語を“楽しい”から始める
- 英語で“未来の選択肢”を広げる
その学び方を、私たちキャタルと一緒に始めてみませんか?
まずは無料体験レッスンで、英語がもっと「好き」になるきっかけを。合格はゴールではなく、可能性の始まりです。キャタルで、その一歩を最高のスタートにしましょう。
・小学校6年生で英検2級合格!音読と英単語カードが成長のカギ