福岡女学院中学校高等学校-「最高、最新の女子教育」のルーツに迫る

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福岡女学院中学校高等学校は「ミッション」の愛称で親しまれる総合学園です。「凛として 花一輪 プロジェクト」などユニークな取り組みがありつつも、女子教育一筋の133年にわたる伝統で「最高、最新の女子教育」「10年・20年後の未来を意識した教育」を実践しています。また特に英語教育では、「使える英語」を学ぶことを前提に洋書の多読授業や多国籍からなる留学生100名の受けれ入れなど、4技能を中心とした英語力の向上に努めています。

福岡女学院中学校高等学校の概要

福岡女学院中学校・高等学校は福岡県福岡市南区曰佐三丁目に位置するキリスト教系の私立女子中高一貫校です。福岡女学院は113年間の長い伝統の中で、「豊かな知性と感性を持ち、国際社会を担いうる女性」の育成を目指した女子教育を行っています。また、聖書の教えである「神と隣人へとの愛に生きることを要とする、聖く、正しく、賢く、美しく、強い主体的人格の形成」に沿った女子教育を展開しています。同校では加速するグローバル化社会を生き、そしてその社会を担っていけるような、豊かな知性と感性を兼ね備えた女性を培う教育を目指しています。

 福岡女学院中学校高等学校の基本情報

学校属性:私立(キリスト教系)
教育理念:「主体的な人格の育成」
系列校:福岡女学院幼稚園・福岡女学院大学・福岡女学院大学短期大学部・福岡女学院看護大学
教育体制:中高一貫校
生徒数:488名(2019年4月現在)
共学/別学:別学(女子のみ)
学期:3学期制学費:492,000円(中学校年合計)・516,000円(高等学校普通
科年合計)
寮費:629,000円(年合計)
帰国子女の受入:あり
国内大学進学実績:大阪大学・九州大学・東京外語大学・福岡女学院大学など(2019年)
海外大学進学実績:なし(2019年)

 福岡女学院中学校高等学校の特徴

「ミッション」の愛称で親しまれる総合学園

福岡女学院はひとつのキャンパスに幼稚園・中学校・高等学校・大学・短期大学部・大学院を持つ総合学園です。そして「日本でいち早くセーラー服を採用した学校」としても有名です。

「ミス・ダイヤモンド」と呼ばれた第9代校長エリザベス・リーは、それまで和服姿で登校し運動していた生徒たちに、動きやすい洋服であるセーラー服を制服として着用させるという当時としては画期的な発想を実現しました。これは自由で活発な教育を行いたいという願いから生まれたものですが、いつしかセーラー服を着て颯爽と歩く福岡女学院の生徒たちは市民の憧れの的となり、「ミッション」という愛称で親しまれるようになったのです。

1人の校長の決断から始まった新たな発想を活かす教育方針は、社会の今後やその中での生き方を自ら考え進路を切り開いていく「10年・20年後の未来を意識した教育」を行う現在の福岡女学院の教育でも今なお受け継がれています。

「凛として 花一輪 プロジェクト」

福岡女学院では2018年度から聖書の教えに基づく「大切なひとり」という考えを土台とした、生徒たち1人1人の「21世紀型能力」を養成するプロジェクトを実施しています。21世紀型能力とは問題解決に必要不可欠な「思考力」を中核とした、インターネットの普及にともなう情報社会化や多文化共生社会化が進む21世紀の社会を生き抜くための力のことです。

福岡女学院独自の評価表「はないちルーブリック」は、21世紀型能力の養成における同校が目指す生徒像を表すものです。何ができるようになればさらに1ステップ成長した自分に出会えるのかを明確にし、成長の目標と基準を生徒と先生が共有します。この評価表を用いることで学校行事・授業・その他学校内における全ての活動を評価し、生徒の成長を1つ1つ可視化し、生徒たちが主体的に学び続ける力を伸ばす取り組みをしています。

社会情勢の変化にともない、21世紀型能力の強化をする教育をしていこうという動きが世界中で起こりつつあります。日本においても入試制度改革をはじめとした新しい学びの研究・実践が進められている中、教師たちも単に生徒の知識量を評価するだけではなく、自ら知識を活用しスキルアップしていける力を身につけるための教育を行っていく必要にせまられています。そこで「はないちルーブリック」の活用で生徒と教師の間で評価のすり合わせをし、授業や諸活動での自己評価に活かしていくことで、「自立した学習者の育成」に取り組んでいます。

「凛として 花一輪 プロジェクト」は中学校・高等学校計6年間でこれからのグローバル社会を生き抜く力を身につけるとともに、地球規模で物事を考えながら自分の地域で活動することのできる、”グローカル”な女性を育むプロジェクトです。

「使える英語」を学ぶ英語教育

福岡女学院では世界の人々とコミュニケーションをとれる力を身につけることを目的に、文部科学省の「Super English Language High School」と同校独自の「英語教育改善のための調査研究」を通した7年間の研究に基づき、「読む」「書く」「聞く」「話す」の英語四技能バランスを考えた、グローバル社会で活躍できる人材を育成するための独自の英語教育を行っています。

例えば、毎週4時間は日本人教師による授業で単語や文法表現を磨きます。年3回の英単語テストや、4技能英語力テスト「GTEC」で高得点を目指すことにより、英語の「読む」「書く」「聞く」「話す」ための力を高めます。同時に英会話の上達度合いは話す時間に比例するため、毎週2時間、アメリカ・フィリピン・カナダ・オーストラリア出身の教師たちとのコミュニケーションから、国によって多様な「English」を学ぶ時間も設けています。

その他、ユニークな教育法の1つとして、洋書の多読授業も取り入れています。同校の蔵書数は多読用の絵本・小説などの洋書は6,000タイトル・13,000冊に及び、全国でもトップレベルを誇ります。校内にある比較的簡単な単語や文法が使われている英語の本を多く読むことで英語の語彙力を向上させ、「使える英語」を無理なく身につけていくのです。この「多読による英語教育」は今注目されている英語の学習方法でもあります。

ユニークな進路指導〜Experience Counts Project

「Experience Counts」とは実体験の積み重ねです。何かを学ぶために効率の良さや特別な方法を模索する人がいますが、習得への1番の近道は経験とその時間を地道に積み上げていくことです。福岡女学院では、国語表現・英語コミュニケーション教育・芸術教育をはじめ、どのような分野でも実体験や時間を積み上げることを生徒たちに求め、将来の進路実現に備えています。

中でも外国語の習得には、教室で学んだ外国語を実際に使う経験が必要不可欠です。そこで同校では年間約100名の留学生を迎え入れ、日本にある校内で海外の人たちと交流することができる環境作りを行っています。アメリカ・カナダ・イギリス・ドイツ・イタリア・フィンランド・フランスオーストラリア・コロンビア・インド・シンガポール・台湾など多くの国々から留学生を受け入れており、生徒たちは留学生との交流の中で外国語を使うとともに、文化の「違い」や、逆に「同じ」部分を学んでいくことが可能となります。

まとめ

福岡女学院では創立以来社会の発展と向き合いながら、時代の先駆けとなる女子教育を実施しています。国の教育改革「学力の3要素」に対応する新しい教育システムに踏み出しており、この学力の3要素は、聖書の教えにある「真理はあなたたちを自由にする」や、同校が教育目標に掲げる「豊かな知性を持ち 国際化が進む社会を担いうる女性の育成」にも通じるものです。

福岡女学院の生徒を第一に考える教育は、まず授業の場から。そして授業で行われるのは知識の伝授だけではありません。教えを受ける生徒たち自らが将来の目標を設定したうえで多くの本物の経験をし、それらを多面的・総合的に評価できるような仕組みを導入していきます。加えて、21世型能力の育成を目指す「凜として花一輪 プロジェクト」も本格スタート。一連の教育を通して生徒1人1人の自己肯定感を育みます。

福岡女学院では女子教育一筋の133年にわたる教育経験の蓄積・緑豊かで広大なキャンパス・世界で活躍する多くの同窓生・そして2つの系列大学との中高大連携教育といったあらゆる資源を活用し、「最高、最新の女子教育」を行っていると言っても過言ではないでしょう。

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