福岡大学附属大濠中学校高等学校-学校を「学びに挑む場」に

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福岡大学附属大濠中学校・高等学校は、「道徳教育を根幹として教育を断行する」という宣言のもと設立された学校です。近年はその伝統の上に、グローバル化を始めとする現代社会の急激な変化を強く意識した「学校・教育の見直し」にアクティブ・ラーニングやグローバルコンペテンシーなど積極的に関わりながらさまざまな改革を行っています。英語のみならず、三つの「知」を融合させ、知的体力を高める。「学びに挑む」大濠中学校高等学校について解説します。

福岡大学附属大濠中学校・高等学校の概要

福岡大学附属大濠中学校・高等学校は、福岡市中央区六本松にある私立中学校・高等学校です。学校は福岡市の中心部に近く、地下鉄七隈線「六本松」から徒歩5分、空港線「大濠公園駅」からは徒歩15分という交通至便な位置にあり、目の前には市民の憩いの場として有名な大濠公園の広大な敷地が広がります。

1951年の設立以後、数度の改組を経て1996年に大濠中学校を併設して中高一貫校に生まれ変わりました。本校は、2010年に校舎を新しく建て替えて最新の設備を導入し、2011年度からは共学化をスタートさせるなど、新しい時代に対応した改革に果敢にチャレンジしています。近年は県内でも有数の難関大学への合格実績を誇る進学校として有名になりました。2020年度の入学試験における募集人数は、以下の通りです。

・中学校
160名(男子100名、女子60名)

・高等学校
専願入試:40名(男女合計)
前期入試:380名(男子300名、女子80名)
後期入試:40名(男女合計)
※いずれの方式もスーパー進学コース・進学コースの合計

福岡大学附属大濠中学校・高等学校の基本情報

学校属性:私立 中学校・普通科高等学校
建学の精神:「道徳教育を通じて人間性を高める。」
教育体制:併設型中高一貫校
系列校:福岡大学、福岡大学附属若葉高等学校
生徒数:中学校:506名(男子303名、女子203名)(2018年度)高等学校:不明
共学/別学:男女共学
学期:3学期制
学費:85万2,000円(中学初年度)、91万7,600円(高校初年度)(2019年度)
帰国子女の受入:あり(高等学校)
国内大学進学実績:九州大学 31名、熊本大学 29名、医学部医学科 55名、福岡大学 362名、西南学院大 152名、早慶 20名など(2019年度)
海外大学進学実績:

福岡大学附属大濠中学校・高等学校の特徴

「学びに挑む」~三つの「知」を融合させ、知的体力を高める

本校はいま、時代の変化に対応した学校の存在意義の捉え直しに果敢に取り組もうとしています。
グローバル化が著しく、閉塞感が増す経済状況や少子高齢化の進行など課題山積の様相を呈する現代社会を生き抜くには、これまでの様に固定化された価値観に従って生きるのではなく、変化の動きに合わせて機敏かつ柔軟に対応していく力が欠かせません。
このような時代にあって学校は、単に知識を「教え込む」だけの教育とは訣別し、生徒が自らの五感をフル活用して学び、実践できる力を育てていくことを目指さなければならないと考えています。

本校では、生徒が学習活動によって得られる「理性的な知」・学校活動で磨かれる「感性的な知」・対人関係を通して身につけられる「道徳的な知」の三つの「知」を融合させることを可能にし、知力はもちろん、感性や生活能力を含んだ知的体力を高めていくことを教育目標にしています。

アクティブ・ラーニングを積極的に推進

生徒の知的体力を高めていくという教育目標を具現化するための取り組みが、アクティブ・ラーニングの積極的な推進です。アクティブ・ラーニングとは、能動的学修のことを言い、グループワークやディベートなどを通して教師と生徒がコミュニケーションを取りつつ、相互に刺激し合うなかで、生徒が主体的に学び、考え、問題を発見・解決していく学習法です。

本校では、2016年度より国語、地理・歴史、数学、理科、英語の5教科でアクティブ・ラーニングを取り入れた公開授業を行っています。グループ学習を取り入れた授業では、同じ時間、同じ場所に集まって学ぶことで、対話による深い学びの場が生まれることを生徒自身に気づかせる狙いがあります。生徒からは、「皆と意見を交わすことで、多様なものの見方が身についた」「解答を1つに決めつけなくなった」といった声も聞かれます。

各教科に「研究員」を任命し、思考力を問う問題の研究・開発も進められています。現在は国語が先行する形で、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)を参考にした問題を作成し、定期テストに採り入れています。今後は英語などその他の科目でも導入を進め、思考力重視に舵を切ると言われる大学入試改革に対応していくことを目指しています。

中高一貫コースで進学対策と人間形成の両立を目指す

本校の中学校は、1996年に高等学校に併設して開校されました。この時に、元からあった高校コースとは別に中高一貫コース設けられ、難関大学への進学対策とグローバル社会での活躍を見据えた人間形成の両立を目指しました。中高一貫コースでは、高校への内部進学後も他のコースと交わることなく、6年というゆとりある時間を使えるというメリットを活かした独自のカリキュラムにより学習が進められます。

特に英語に関しては、中学3年間を通して全科目中最も多い単位数が置かれて毎日授業が行われており、質量ともに充実した内容を誇ります。教材は、中高一貫校向けで難度の高さで知られるZ会発行の「トレジャー」をメインの教科書に据え、副教材「シリウス」(英文法問題集)が併用されます。毎日の予習が求められるほどのボリュームある教材を用いることで高い学力をつけさせると同時に、中学の時から家庭学習の習慣を身につけさせるという狙いもあります。

家庭学習については、NHK新基礎英語やCDを使った学習でも積極的な取り組みが求められます。そして、各学年での目標とする英語検定試験の受検と、中学修了までに準2級以上合格を目指すことが全生徒に課されます。

高校では3コースの切磋琢磨により高い進学実績を達成

高校では、「進学コース」と「スーパー進学コース」が設置されるため、中学からの内部進学者が在籍する「中高一貫コース」と合わせて3コース編成になります。本校では、3コースがそれぞれ独自のカリキュラムを組み、お互いに競い合う形で高い進学実績を達成しています。

[box class=”box2″]・進学コース

本校の高等学校課程に従来からあるコースです。1年次は同一カリキュラムで基礎力養成が目指されます。そして、2年次で大きく文系・理系に、3年次には文系・理系の各々に私立型(文Ⅰ・理Ⅰ)、国立型(文Ⅱ・理Ⅱ)コース分けが行われ、生徒の希望進路にきめ細かく対応していきます。

また、入学試験の成績により、1年次に難関国公立大学進学を目指す「特別クラス」が編成されます。この特別クラスは各学年進級時に再編成され、2年次には文系・理系コースの各々に、3年次では国立文系(文Ⅱ)、国立理系(理Ⅱ)コースに設置されます。[/box]

[box class=”box2″]・スーパー進学コース

1998年度に新設されたコースで、九州大学以上の難関国立大学合格を目標とします。本コースは、高校3年間を通して他コースと交わることはありません。学習は独自のカリキュラムに拠り、高レベルで進度が速い授業が展開され、意欲の高い生徒たちの期待を裏切らない内容になっています。[/box]

[box class=”box2″]・中高一貫コース

高校への内部進学後も独自のカリキュラム編成での授業が続きます。多くの教科で中学3年次より高校の教科書を使った授業を始めており、高校2年次から文系・理系に分かれ、高校のカリキュラムを終わらせます。そして、高校3年次は、問題演習中心の実戦的な授業を行い、大学受験に万全を期します。[/box]

国際人としてのグローバルコンペテンシーを育成

グローバル・コンピテンシーとは、国際社会で行動するときに必要となる、知識・スキル・態度などを状況に応じて正しく活用する力のことです。

本校では、充実した英語の授業に加え、短期語学研修(ホームステイプログラム)や5泊7日の海外での修学旅行を中学時に実施して、英会話の習得だけに留まらない異文化交流を通じたグローバルコンペテンシーの育成を行っています。

また、英語研究部の活動も目立ちます。グローバル人材に必須の「使える英語」の習得を目標に、週に2回、与えられたテーマについて英語で話す活動に取り組んでいます。生徒たちは「自分の伝えたいことを英語で表現する」力の習得を通して、グローバル・コンピテンシーを身につける意欲を高めていきます。これまでに、福岡県高等学校英語ディベート大会や福岡県英語スピーチコンテストなどへの出場実績を残しています。

まとめ

本校はもともと、「道徳教育を根幹として教育を断行する」という宣言のもと設立された学校です。近年はその伝統の上に、グローバル化を始めとする現代社会の急激な変化を強く意識した「学校・教育の見直し」に積極的に関わりながらさまざまな改革を行っています。その成果は難関大学への高い進学実績という形でまず目に見える形で顕れています。本校は、今後も生徒が知力だけでなく、感性や生活能力を含んだ知的体力を高めていくことができる環境を整えることに邁進していくことでしょう。

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