小学生の英検受験と中学受験入試対策【2025年版】

小学生の英検受験と中学受験入試対策【2025年版】
目次

なぜ小学生で英検を受けるのか?

小学生のうちから英検を受験することには、大きな意義があります。中学受験での加点や免除、将来の高校・大学入試でのアドバンテージ、そして何よりも「英語は得意科目だ」という自己肯定感を育てられることが挙げられます。

2025年現在、首都圏の中学入試の約4割が英語を評価軸に加えており、英検やTOEFL Primaryなどの資格を持つことで受験が有利になるケースが増えています。特に2025年度は慶應湘南藤沢や豊島岡女子など、最難関校でも《算数・英語入試》が導入され、英語を武器にした受験戦略が注目されています。
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【小学生が英検を受けるメリット】

1. 自信と達成感:小さな成功が「学びのエンジン」になる

英検に合格することで「自分はできる」という感覚が芽生えます。これは、自己肯定感の向上とともに「もっと勉強してみたい」「次もチャレンジしたい」といった前向きな学習意欲につながります。
また、小学生期は「結果がすぐに出る経験」に敏感な時期。達成感を得られる経験は、自発的な学習習慣の土台になりやすく、英語以外の教科への良い影響も期待できます。

2. 中学英語の先取り:授業の「先手」を打つことで余裕が生まれる

英検は、単語・文法・読解・リスニング・スピーキングといった、英語の主要スキルがバランスよく求められます。早い段階でこれらに触れることで、中学校の英語授業で扱う内容(be動詞・一般動詞・時制など)を「復習」として受け取ることができ、学習に余裕が生まれます。
特に英検4級・3級レベルまで進んでいると、中1での文法事項の多くをすでに学習済みであるため、英語が「得意科目」として定着しやすくなります。

3. 受験での優遇措置:選択肢が広がる具体的な武器になる

首都圏では、英検の取得状況を中学受験で評価対象とする学校が年々増えています。たとえば、英検3級で書類選考の加点、準2級で一次試験免除、2級で合否判断の材料とするなど、学校によって対応は異なるものの、すでに1,700校以上が英検スコアを活用しています。
その結果、英検を取得している子は「筆記試験の代替」や「他の受験生との差別化」として、有利なポジションを得やすくなるのです。

【小学生が英検を受ける際の注意点】──3つの落とし穴とその背景

1. 不合格によるトラウマ:英語=嫌い、という負の連鎖を生む可能性

英検は本来、合否に一喜一憂するための試験ではありませんが、小学生が失敗体験をすると、「自分には向いていない」「もうやりたくない」と感じてしまいやすいのが現実です。
特に英語に対する成功体験が少ない状態での受験は、1回の不合格が英語そのものへの苦手意識に直結することも。これは、語学学習において最も避けるべき心理的障壁です。

2. 合格点主義による“穴だらけ学習”:内容の定着を置き去りにした進級

英検は65~75%程度の正答率で合格できる設計ですが、逆に言えば「3割程度はわからないまま」でも合格できてしまう試験です。
その状態で次の級に進むと、理解が不十分なまま難しい英文を読むことになり、挫折や誤学習の原因になります。合格=実力と短絡的に捉えず、正答できなかった30~40%の内容をいかに補完するかが、本当の意味での学力向上につながります。

3. 試験勉強によるストレス:英語嫌いになる本末転倒な結果に

小学生にとって、「遊ぶ・体験する・動くこと」が成長の基本です。試験勉強ばかりを課すと、本来楽しいはずの英語学習が義務になり、モチベーションは一気に低下します。
この時期に「詰め込み式」の学習をすると、英語そのものにネガティブな印象を抱きやすく、後々の学習に大きな影響を与えることになります。

【推奨される対策】──TOEFL Primary / Junior で段階的に力を測る

小学生の英語力を客観的に測る方法として、TOEFL Primary や TOEFL Junior があります。これらの試験は合否ではなく「点数(スコア)」で実力を評価できるため、子どもに無用なプレッシャーをかけずに、実力の伸びや課題を把握できます。

また、「TOEFL Primary STEP1で星2つ以上」が取れたら英検5級にチャレンジしてよい、というように目に見える基準で受験の時期を判断できることも大きなメリットです。

英検を“ゴール”にするのではなく、“ステップ”にするためにも、まずはTOEFL系のスコア型テストで現状を確認し、そこから適切な級へと進むことをおすすめします。

学習ゴールと年齢に応じたロードマップ

年齢 脳と耳の発達 学習キーワード 推奨アクション
9歳まで 音韻区別がピーク 数と語彙 フォニックス+多聴で“英語の音”を身体に刻む
10〜12歳 抽象思考に移行 原理・原則 基本文法と語順パターンをブロックのように組み立てる
中1以降 論理力が急伸 多面的思考 4技能統合型タスク(要約・ディベート・エッセイ)に挑戦

発達段階に応じた英語学習の設計──「脳の成長」と「学習の適性」を踏まえて

【9歳まで】音韻の臨界期──「英語の音」を身体に刻み込む時期

この時期の子どもは、母語に限らずあらゆる音の違いを最も鋭敏に識別できる「音韻区別のピーク」にあります。つまり、日本語にない英語の音(例:rとl、thとsなど)も、ネイティブと同じように聞き分けられる最後のゴールデンタイムです。

この段階では、英語を理屈で理解しようとするのではなく、「数(語彙量)」と「音(音素認識)」をセットで身体に染み込ませることが重要です。
推奨される学習は、フォニックスで英語の「音と文字の関係性」を直感的に学ぶこと、そして多聴(リスニングシャワー)によって、英語のリズムやイントネーションを自然に吸収すること。絵本の読み聞かせや英語の歌、アニメなどが有効です。

【10〜12歳】抽象的な理解が可能になる──文法の「型」を組み立てる時期

小学校高学年になると、思考が具体から抽象へと移行し、ルールや仕組みを言語化して理解する力が芽生えてきます。ここでは、「原理・原則」を学ぶことができるようになるため、英語学習にも文法や語順の理解を取り入れていくべきです。

この時期に有効なのが、文法項目を“ブロックのように”組み立てる感覚で学ぶこと。たとえば「主語+動詞+目的語」などの基本文型を、文カードや語順パズルなどを使って、身体感覚で並べ替えていくトレーニングが効果的です。
また、簡単な日記やスピーチづくりも始めやすく、基礎的なライティング力や語順感覚の定着につながります。

【中学1年以降】論理的思考力の開花──「4技能統合型」に移行する時期

中学生になると、脳は因果関係や比較、反論などの“多面的な思考”が可能になります。この段階では、単なる単語・文法の知識だけでなく、それらを駆使して自分の意見を表現したり、他者とやりとりをしたりする高度な言語活動が求められるようになります。

英語学習も、「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバラバラに学ぶのではなく、統合的なタスクに取り組むことが効果的です。たとえば、英語ニュースを読んで要約し、それについてエッセイを書く。あるいはディベート形式の活動に参加し、立場をもって意見を述べる練習などがこれにあたります。

この時期に“実践的な英語力”を養っておくことで、英検準2級〜2級レベルの問題にも対応できる力が身につき、高校・大学入試や留学準備にも直結するアドバンテージとなります。

英検と中学英語入試、どちらを先に?

英検はスコア型(CSE)で評価されやすく、加点の対象になることが多いため、基礎力を測る手段として非常に有効です。一方で、学校ごとの英語入試問題は形式が異なり、対策には時間がかかるため、小6春までに準2級またはTOEFL Junior750以上を目安に取得しておくのが理想です。

ストーリーブック多読がすべての基礎になる

物語は記憶定着に最適な教材です。場面・感情・行動がセットで記憶され、語彙がネットワーク構造で脳に残ります。Lexile800前後のグレーデッドリーダーを用い、耳読(音読CD)+目読+50語要約の3点セットを回すと、

  • 推測読解力
  • エッセイの具体例
  • スピーキングでの描写力

が同時に伸び、4技能の相乗効果が得られます。

小学校6年生で英検2級合格!音読が成長のカギ

英語塾キャタルでは、英検に合格することで自分の夢への実現へと近づいた生徒たちがたくさんいます。その生徒たちは、決して「近道」をした訳ではありません。英語学習を楽しみながら継続して学び続けることで、英検合格に必要な英語力を身につけているのが特徴です。

英語塾キャタルオンライン校に通う小学6年生Hさんは、キャタルに入る前に英検2級の試験に2回チャレンジして、不合格になってしまう挫折を体験しました。そんなHさんはキャタルで英語を学び、見事合格を果たしました。

Hさんは、キャタルのレッスンでCDと一緒に何度も音読をすることでリスニング力が上がったと語ってくれました。また、キャタルの宿題である英語の本の音読を毎週3回は欠かさず行っていました。学校から帰ってきたら真っ先に音読をするくらい、楽しんで取り組んでいたことが英検合格へと繋がりました。

英語学習のスタート時期や習得している英語レベルは、一人ひとり異なります。だからこそ、一人ひとりのレベルに合わせた学習カリキュラムで学ぶことが大切だと私たちは考えています。不合格という回り道をせずに英検2級に合格するなら、ぜひ英語塾キャタルのWEBサイトへお越しください!

まずは“英語が好き”な子に育てることが成功の鍵

小学校6年生で英検2級合格!音読と英単語カードが成長のカギ
小学生にとって英語は“教科”ではなく“ことばの冒険”です。試験合格だけをゴールにするのではなく、絵本や動画、ゲームなど、楽しい体験を通じて自然に英語を身につけることが、長期的な成功につながります。

英語学習は、試験の点数だけを目的にするべきではありません。TOEFL Primaryで土台を可視化し、ストーリーブックで楽しみながら読む力を育て、英検で実力を証明し、最後には「英語で世界を広げる力」を手に入れましょう。英語塾キャタルは、そのすべてを一貫してサポートします。

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