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はじめに──「聞こえない」を卒業するために
英検のリスニングは、音の連結・脱落、話者の速度、そして多様なアクセントという三重苦が立ちはだかります。筆記を解き終えた直後に一度きりの放送を処理しなければならず、「読めば分かるのに耳では拾えない」という受験生が後を絶ちません。本記事では、英語塾キャタルが提唱する三段階メソッドを軸に、級別の時間配分、先読みとシャドーイングの活用法、さらに試験直前の集中力維持術までを網羅的に解説します。
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1. 三段階メソッド:音読 → ディクテーション → 例文暗記
リスニング力を土台から引き上げるには、まず正確な音を自分の口と耳に刻み込む音読が欠かせません。文章を黙読するのではなく、発音記号を確認しながら声に出すことで、スペルと音のギャップが埋まります。
次に取り組むのがディクテーションです。短い音声を聞き取りながら書き起こしてみると、聞き取りづらい弱形(弱く発音される語)やリエゾン(音と音のつながり)が可視化され、「なぜ聞き取れなかったのか」を論理的に理解できるようになります。
仕上げは例文暗記。ここで狙うのは単なる丸暗記ではなく、『次に来る語を予測する力』の養成です。脳内で文章パターンが自動再生されるようになると、試験本番でも一瞬先の展開が手に取るようにわかり、聞き漏らしが激減します。
2. 先読み × シャドーイング──全レベル共通の鉄板テクニック
問題用紙が配られた瞬間に設問と選択肢をざっと眺め、キーワードを頭の引き出しに入れておく先読みは、英検に限らずあらゆるリスニング試験の王道です。放送を聞きながら「この話題なら environment が来そうだ」と心づもりができるだけで、聞き取れなかった箇所も文脈で補えます。
一方、日々のトレーニングで不可欠なのがシャドーイング。音声の数拍後を追いかけて同じ発音・抑揚で口に出すことで、耳と舌を同時に鍛えられ、処理速度が飛躍的に向上します。
3. 級別攻略ガイド
英検1級
筆記100分の後に35分のリスニングが待つ長丁場。TOEIC 900点台でも苦戦する語彙とスピードの中で勝ち切るコツは、筆記を解きながらの先読みです。設問選択肢に目を通し、学術寄りの単語をあらかじめ脳内で発音しておくと、一度きりの放送でも取りこぼしが減ります。また、ディレクション読み上げ中に次セクションの設問を先読みし、集中力の途切れを最小限に抑えましょう。
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英検準1級
放送は一度しか流れません。選択肢の先読みで聞くべき情報を絞り込むことが合否を左右します。筆記終了後の30分リスニングに備え、休憩時間は目を閉じて呼吸を整え、脳のワーキングメモリをリセットするのがおすすめです。
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英検2級
準2級とほぼ同じスピードながら、紛らわしい選択肢が一つ余分に用意されるのが特徴です。放送後のわずか10秒でマークし切るためには、問題間インターバルの先読みをルーティン化してください。25分間集中力を保つ練習は、過去問を本番同様に解くことが最も効果的です。
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英検準2級
趣味から環境問題まで幅広い話題が出題されるため、話題転換に強い耳が求められます。まずはシャドーイングでスピード慣れを作り、次に選択肢からキーワードを拾って「話題予測」をしてから放送を迎える習慣を定着させましょう。
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英検3級
出題形式は毎回ほぼ同じです。会話の冒頭と末尾に注意を向けると、テーマと結論を瞬時につかめます。イラストや選択肢から場面をイメージしておくと、放送の内容を脳内で映像化でき、理解が一段深まります。
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英検4級
すべての設問が二度読まれる安心感はありますが、初回で大意をつかみ二回目で細部を確認する二段構えが安全策。補助イラストを先読みして「誰が・どこで・何を」だけでも押さえておくと正答率が安定します。
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英検5級
25問がすべて二度読まれます。語彙そのものより正しい発音に耳を慣らすことが重要なので、音声を聞き取ったら必ず口に出して再現し、「カタカナ発音」との違いを身体で覚えるようにしてください。
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4. 30日・90日ロードマップと試験直前の集中力維持術
最短30日プラン
- 1週目:音読と発音矯正を集中実施
- 2週目:短いニュース素材を用いたディクテーション
- 3週目:例文暗記+シャドーイングでスピードアップ
- 4週目:過去問形式で「25分解答+5分見直し」を定着
90日プラン
上記の4週サイクルを2回転させた後、残り3週で過去6回分の本試験音源を解き、時間感覚と集中力を極限まで研ぎ澄ませます。
試験当日: 1問ミスしても立ち止まらず、頭を次の放送へ完全に切り替える「メンタルスイッチ」が勝敗を分けます。
5. スクリプト活用でスコアを最大化
放送後には必ずスクリプトを確認し、聞き取れなかった箇所をマーキングしてください。その部分を音声と重ねてシャドーイングし直すことで、弱点がピンポイントで矯正されます。強調される語や弱形になる音を視覚でも捉えると、次回からのリテンション率が格段に上がります。
6. キャタルで身につく実戦力
英語塾キャタルでは、本物の試験音源を使った反復練習と、24時間以内に戻るオンライン添削で学習サイクルを高速化しています。個別カウンセリングではレベル診断と学習計画をカスタマイズし、リスニングとスピーキングを連動させてアウトプット量を最大化。無料体験は公式サイトから3分で予約可能です。
まとめ──「聞き取れない」は自分で変えられる
リスニング力は筋力と同じで、今日の音読が明日の先読みを速くし、明日のディクテーションが来月の合格通知を引き寄せます。三段階メソッドを回し、先読みとシャドーイングを試験に直結させる──これが「英検リスニング対策」の王道です。今すぐイヤホンを手に取り、あなた自身の声で次の一歩を刻みましょう。